今回は今話題になっているAdobe Lightroom AIによるノイズ軽減についてです。
どこまでノイズ軽減できるのか、自分の撮影した写真で試してみました。
デジタル撮影の写真ノイズとは
デジタルカメラで写真を撮るとき、ノイズという小さな点が写真に現れることがあります。これは、カメラが光を受けて電気信号に変えるときに、ちょっとしたミスが起こるためです。
ノイズは、暗い場所で撮影するときや、カメラのISO感度を高くするときによく出ます。暗いところで撮影すると、カメラはたくさんの光を集めようとしますが、うまくいかないことがあって、ノイズが出やすくなります。また、カメラのISO感度を高くすると、光を電気信号に変える力が強くなるため、ちょっとしたミスも大きくなってノイズになりやすくなります。
ノイズを減らすには、明るい場所で撮影したり、カメラの感度を低く設定したり、写真を撮った後にコンピュータで修正するアプリケーションを使ったりする方法があります。これらをうまく組み合わせて、きれいな写真を撮ることができます。
ノイズ軽減の結果①
まずISO800で撮影した動物の写真でノイズ軽減を試しました。
私が普段使っているCanon EOS6Dmk2は、ISO800でも少しノイズが発生しています。
(写真はクリックすると大きく表示されるはずです)
このISO感度ではノイズは少ないのですが、ノイズは動物(ムフロン)の胸あたりの毛並みに発生しています(白丸のあたりがかろうじて見やすいかと)。
ノイズ軽減処理を行うと、毛並みの黒さが強くなりました。これはノイズによる偽色が低減されたからだと思われます。偽色はISO感度を上げることによって、赤青緑のランダムな斑模様が発生する色ノイズの一つです。このノイズが見える人は、普段からノイズに細心の注意を払っている人でしょう。
これまでのLightroomを利用したノイズ軽減は、強い目に処理すると画像の解像度が低下する(特に境界線がぼんやりする)ため、少し難しいところがありました。
Lightroom AIによるノイズ軽減でも処理強度を加減する必要がありますが、ムフロンの毛並みをご覧いただいても分かると思います。解像度の低下はほとんど気にしなくて良いレベルのように見えます。
ノイズ軽減の結果②
次は、ISO25600で撮影した夜空の写真です。天の川を撮影しました。(画像はトリミング済み)
ここまでISO感度を上げると、ノイズがよく分かるかと思います。
以下の写真でノイズ軽減の効果をご覧下さい。
(写真はクリックすると大きく表示されるはずです)
ノイズ軽減した後に他のパラメーターも触っているため印象が変わっていますが、処理前の画像のざらざらがほぼ消えていることがご覧いただけると思います。
こちらの夜空の写真では、カメラを高ISO感度に設定することで、光をイメージセンサー(CCDなど)へ取りいれた電気信号を増幅させています。このためイメージセンサーにおいて発生するノイズ(センサー内の画素ごとのゆらぎなどによって発生する望まない信号)も増幅されています。
また、シャッタースピードが8秒と少し長いので、長秒時ノイズも少しは発生していると思われます。長秒時ノイズとは、シャッタースピードが15秒以上で、気温が高くなってくると表れるようになる、ホットピクセルと呼ばれるランダムに発生するノイズです。
注文をつけるなら
あえてAdobe Lightroom AIのノイズ軽減に注文をつけるなら、夜空の写真では元画像では見えていなかった光の軌跡が見えていると思う箇所がいくつかありました。AIによって画像を補完したため、私には見えてなかった光が補完されているのかもしれません。
これまでカメラメーカーもノイズ軽減のために取り組んできました。例えばマルチショットによるノイズ軽減では、同じ位置の画像を連写した複数枚の画像をカメラ内で合成してノイズ軽減しています。マルチショット方式とAIが補完するようになれば、さらに良好なノイズ軽減が期待できるかもしれません。
おわりに
Adobe Lightroom AIによるノイズ軽減処理によって、カメラの高ISO感度がこれまで以上に気軽に使用できるようになると確信しました。
夜間の動体撮影が容易になることだけでなく、高ISO感度と早いシャッタースピードが求められる撮影、例えばスポーツや鳥などの撮影でも、低ノイズで被写体を止めた写真をつくれる可能性が、これまで以上に高まってゆく道の途中を、私たちは歩いているのでしょう。
Adobe Lightroom (Official Website)
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