AI創作物がある時代に、創りたい人は何をする?

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Adobeが画像生成AIを開発

私がSNSで広く共有したい画像は、SNSで映える被写体や仕上げを選びがちです。画像生成できるAI(人工知能、artificial intelligence)の登場によって、今より映える画像がSNSに溢れる予感がします。

AdobeがAI生成でない画像であると証明する認証機能を付けたカメラをニコンと共同開発したというプレスリリースもありました。このタイミングを予見していたかどうかはわかりませんが、画像が自分のオリジナル制作であると証明することは重要になると思います。

アドビとニコンのパートナーシップにより、カメラ製品に来歴記録機能を搭載

https://www.adobe.com/jp/news-room/news/202210/20221019_max-partnership-with-nikon.html

Adobe


AdobeはこれまでもAdobe senseiという画像生成をサポートするAIをリリースしてきました。そのAdobeが、今後は画像生成AIを開発するというプレスリリースもありました。画像生成AIが学習するリソースへの権利関係もクリアにしたAIが登場するなら、それは喜ばしいと思えます。

Adobe、画像生成AIを開発へ 倫理や法律面で“透明性”高めたクリエイターのためのツール目指す

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2210/19/news162.html

ITmedia NEWS

AIがいるのに自分が写真撮影する必要は?

今後も多くの地球上で写真が撮影され、また画像生成AIによって印象的な画像生成が手軽になるのでしょう。

AIによる画像生成が手軽になっても、自分と出会った被写体の写真を撮影したいという思いは残り、今より欲望が強く浮かび上がるのではないかと考えています。

私が記録する写真は、自分で見返すための写真と考えていますが、でも誰かに見て欲しいという思いはあります。他人と一緒に見た被写体を写真に切り取って共有したい、という人も多くいるでしょう。

(私は単独行動することが多いため、他人との思い出を写真に切り取るという行為になじみが薄いです。SNSで私の写真を見てくれる人はいるようですが、オフラインで私の写真を見つつ話をする他人はいない、という私が書いている文章として読んでいただけると幸いです)

写真作品の撮影とAI

記録写真ではなく写真作品として撮影する場合、カメラ操作や技巧に強みがあるのは前提で、写真の奥に何かあると鑑賞者に感じ取ってもらえることは大事です(それは鑑賞者の思いや価値観が写真に投影されて、鑑賞者が再発見する行為なのだと私は思っています)。

制作者の思いの強さ、社会や世界に問いたい事柄は、画像生成AIの登場前から必要でしたし、今後も変わりないでしょう。

一方で画像生成AIをテキストでうまく誘導して短時間に多くの画像を生成し、その画像から着想した写真作品を撮影することもあるでしょう。

AIがいてもいなくても

制作者として自分で写真を撮るにしても、AI作成の画像を活用するにしても、自分自身がどういう写真や画像が好きなのか(被写体だけでなく、好きだと感じる光、形、色、構図など)、明確に見えている状態が必要です。その上で、自分の価値観を社会や世界に問い続ける行為が、制作者としての航跡を残すと考えます。

鑑賞者として私が作品と対話する時は、この世界に強く残る航跡も、ほとんど残らない航跡も含めて、「これが良いんだよ!」という制作者の考えが伝わってきたとき、私の心が動いて制作者の航跡が私の中に残り、作品に出会えて良かったと思います。

人と出会う場所は

「これが良いんだよ!」と対面で言い合える友人知人と学生時代に出会えれば最高ですが、多くの人にとってはおそらく出会いにくいでしょう。

私はSNSが、今でも制作者の思う「これが良いんだよ!」を理解できる人と出会いやすい場所だと考えています。

とはいえ昨今のSNSがしんどく感じられる人も多いと聞きます。オンラインでつながりつつ、オフラインのイベント(写真ならグループ写真展など)などへ参加することが、探し物がある制作者も鑑賞者にとっても、現状では良い選択肢のひとつであるでしょう。

おわりに

創作物のデータをオンラインで見られる時代に、オフラインで鑑賞してもらったり、ライブパフォーマンスを見てもらう。AIと対抗するという考えなら、様々な創作ジャンルでこうした対抗策が模索されそうです。

制作者として何ができるかは、AIが登場してもしなくても、「誰の笑顔が見たくて制作するのか」を見つけるところから始まると私は考えています。他人や小さな命、仮想空間で出会う存在など、さまざまな「ありがとう」を集めることが、創る源になるように思えました。

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